三番目につくった、ゼロ番目の製品
Concentré、Sérumに続く三本目の製品になる。ただし使う順番でいえば、これがゼロ番目だ。
本日、新しい洗顔を発売した。 Mousse Purifiante Lumière。 ムース・ピュリフィアント・ルミエールと読む。
Concentré、Sérumに続く三本目の製品になる。 ただし使う順番でいえば、これがゼロ番目だ。 毎日いちばん最初に肌に触れるものになる。
美容原液や美容液は、足す製品である。 何を入れるか、どれくらい入れるか、どう届けるか。 設計の軸は「足す」側にある。
洗顔は違う。落とすための製品だ。 落とす以上、必要なものまで一緒に持っていってしまう可能性を、 構造として抱えている。
だから洗顔の処方設計は、 足し算の話をしているようでいて、 ずっと引き算の話をしていた。 何を残して洗い上げるか。 ここが決まらないと、成分をいくら並べても意味がない。
最終的に、32成分の複合処方になった。
パルミチン酸レチノール、フラーレン、プラセンタエキス、グリチルリチン酸2K、 水溶性プロテオグリカン、センテラアジアティカ、アルガニアスピノサ核油、加水分解ヒアルロン酸。
洗顔にこれだけ入れる必要があるのか、と思われるかもしれない。 ただ、洗顔は一日に二回、毎日使うものだ。 接触回数がいちばん多い製品に、いちばん薄い処方を置く。 その判断が、どうしてもできなかった。
容器は黒い円筒のエアレスポンプにした。
フラーレンもレチノール類も、空気に触れれば劣化する。 これは処方でどうにかなる話ではなく、容器の構造の話である。
普通のポンプ容器は、中身を出したぶん外の空気を吸い込む。 120mLを使い切るまでに何十日かかかるとして、 その間ずっと、毎日空気が入り続けることになる。 最後のひと押しは、最初のひと押しと同じものではなくなる。
エアレス構造は、空気を吸わない。 内袋が縮むことで中身を押し出す仕組みだ。 使い始めと使い終わりで、同じ処方のまま届く。 デザインから入った選択ではなく、機能から入った選択だった。
そのうえで、ラベルは黒地にゴールドの箔押しにしている。 機能はエアレス構造で守り、 質感はラインの他の製品と揃える。 どちらかを諦めるという選択は、しなかった。
このムースは、単体で完結する製品として設計していない。
洗顔があって、化粧水があって、Concentré、Sérum、Crèmeと続く。 その一連の起点に立つものだ。 起点が崩れていれば、そのあとに何を重ねても意味が薄れる。
十四年やってきて、この考え方だけは変えていない。 一本の製品で何とかしようとするのではなく、 一連の流れ全体で設計する。 今回の洗顔も、その延長線上にある。
処方の背景にある皮膚老化のモデルについては、 CHROSNOFのサイトで書いている。 興味のある方は、そちらもどうぞ。